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#1 礎

2021年12月17日

社長

 

私の中で「社長」とは常に絶対的な存在

 

 

私の本業は皆さんご存知「墓石屋」


 

関西圏では名の知れた墓石屋でして

CMソングを聴けば、皆さん

「あぁ。あの!」と言ってくれます 

 


墓地の移転事業に関する知識と経験が強みの

我が社新霊園の開発や、土地の区画整理・

河川改修・道路・ダム整備など



国や県の事業でやむをえず引っ越しすることに

なった墓地移転工事が主となる業務



他にも神社やお寺、村墓地の改修工事

(土葬のお骨上げ)など、墓・寺・神社に関しては何でもお任せあれ


そんな部所で働いています

 


いや、働いていました



・・・

 

 

神仏に寄り添う仕事

 


建築土木の設計・施工管理のスキルは

もちろんですが、お墓や石材・宗教・行事・文化・

風習など神仏に関する専門的な知識も必要とされる仕事

 


早い話、鬼ハードです

 


でも、Googleストリートビューが更新されて

自ら設計した墓地が地球図に書き加えられた時の

あの何とも言えない感動

 


「地図を書き換えた」


 

大げさですが、こーやって強引に自分を喜ばせてモチベーションを保っていました

社長は、私の事をいつも信頼してくれました

 

数年前、

大きなプロジェクトの最終決定会議

 


役員会で揉めに揉めた結果


 

「あいつが決めたんやったら、好きにやらせろ」


 

鶴の一声だったそうです

 


その話を聞いた時

「あーーーーもうこの人に一生ついていこう」

そう思いました

 

 

社長は大の酒好き

いつも夕方の5時頃になるとソワソワし始めます

そして、いつの間にかスーーーーっと消える・・・


 

数分後、LINEで

「お疲れ様です」

「今日は忙しいですか?今から一杯どうですか?」

最後にクマさんのLINEスタンプ付き🧸


 

週に1回、決まってこの文章が送られてきました


 

社内の皆は、もちろん仕事中・・・・

 


「えーよえーよ。行って社長の愚痴、聞いてこい」

と直属の上司

 


心苦しくも、ちょっと嬉しい

そして、社長にも上司にも本当に

恵まれた環境でした

私と社長には、年に1度の恒例行事がありました

 


どんなに現場が忙しかろうが、最優先しなければいけない社長の命令


 

「隠密旅行」

 

 

夏の漁解禁日(海の日)になると、会社には「墓地の偵察出張」という大嘘な大義名分を掲げ、2人で

2泊3日の素潜り漁


 

私は昼飯の材料を捕獲する担当で、社長は昼飯を作

る担当

 


お互い、暗黙のポジション(笑)

 


サザエ・アワビ

俺が突いて採ったタコやらガシラやらを

社長が焼いたり

海鮮味噌汁を作ったり

 

 

昼飯食ったらまた私は素潜り

 


社長は手漕ぎボートに乗って日焼けしながら

焼酎飲んでスルメかじって

 


多分、社長は海が好きというか

のんびり波に揺られながら酒を飲む

そんな時間が好きだったのだと思います

 


夜は漁師さんの家に泊まって、またひたすら

酒と漁師飯


 

私と社長のウソ出張は10年以上続もきましたが

この事実を社内で知る人は奇跡的に誰もいません(笑)


そんな社長が突然、出勤しなくなりました

 

 

緊急入院

  

 

体調不良と聞かされていたのですが

幹部役員の様子が、どーもおかしい・・・・

 


本当は何の病気で入院しているのかと

私は問い詰めました

 

 

末期ガンでした

 

 

つづく...

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