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#8 原点

2022年1月14日

「あーー友さんすみませんお待たせしましたー」



真っ白なTシャツにグレーのスウェットパンツ

靴はスニーカー

「さっきまでジムで軽く汗流してましたー」

的な出で立ちで福田社長は現れた



こんな格好で仕事する人

TVドラマでしか見たことがない



「ヘルメットよし!保護具よし!安全帯よし!

足元よし!」

「本日もご安全に!!」



甲冑をまとい敵陣に乗り込むような重装備で過ごした俺の18年



もう、何もかも

180度違う世界



麦茶を一口いただき

社長との面談が始まりました



⁡先ずはアイスブレイク...

 


とはいえ、面接ではない⁡

俺はこのあと

何を喋ればいいのか...



自分が何を話したのかは

ハッキリと覚えていない

だだ、喋る事に対して

「あーーーめちゃくちゃ分かります」

「いやーほんと、よく分かります」

全てに共感してくれていた事だけは

鮮明に覚えている



口元が泡立つくらい喋り続けた俺



ご縁だ

これも全てご縁なのだ!



流れに逆らわず従え

さぁ、何でも来い!

肉を切るのか!

ホールスタッフなのか!!



前のめりで話し続ける僕を黙って見ていた社長

姿勢を正し、こう言いました



「友さん、ぜひウチの店のコンサルティングをお願いしたいです」


 

「先ずはSNSマーケティングを教えてください」



おやおや?



噓でしょ...



自分に違和感を感じていたこの数年



本当に

心の底から本当に

やりたいこととは.....


ガキの頃

我が家に「オモチャ」なんてものは一つも

ありませんでした

 


「欲しいものがあるなら自分で作りなさい」

これが、我が両親の教えでした



ファミコン・ゲームボーイ・ビックリマン

超合金・筋消し・ゾイド・レゴブロック...



どれだけ欲しいと思った事か

どれだけ羨ましいと思った事か



オモチャがないので家には誰も遊びに来ないし、

当然ながら仲間にも入れてもらえない



3時になると、みんな30円持って駄菓子屋で

お菓子買ってまた公園でミニ四駆



もちろん俺と弟はミニ四駆なんて持ってないし

駄菓子すら買えません



うらめしそうに遠目から眺める弟の手を引いて、

2人でよく家に帰りました



ある日の公園

ダンボール紙の上にサーキット場の絵を描いて

2人でスゴロク



2人しかいないので、俺が3台、弟が3台で、

合計6台(笑)



爆速ターボのマス

強制ピットインのマス

事故大破のマス



大した作りではないが、俺と弟はそれがすごくが

楽しかった



サイコロ振って遊ぶ2人に興味を持ったのだろう、

ミニ四駆で遊んでた子供達が気づけば

スゴロク囲んでワイワイ



「コレ、兄ちゃんが作ったんやで!」



誇らしげに遊ぶ弟の姿は今でも鮮明に覚えています

私の「ものづくり」の原点

悩み考え、作り、試し、また悩む

友達と遊ぶ為に

友達を集める為に

弟の為に



「俺は、ずっと作り続けないと」




あれから33年....




未だに当時の「使命感」のようなものを

心の何処かに抱えたまま

延々と繰り返してモノ作りを

続けているだけなのでは...



何を作っても、どこか満たされない

でも、自分に向き合うことが怖かったこの数年



「友ちゃん、作るの上手ねぇ」

「トモ君は器用やなぁ」

「友さんは、モノづくりが得意な人」



ガキの頃から得意な事といえばモノづくり

俺から「作ること」を取ったら何も残らない

だから俺は、これからも作り続けなければ

俺ではなくなる



そう思っていた

いや、そう思うようにしていた

「俺が本当にやりたい事は、道具を使い、

何かを作ること...なのか...」



「確かに友さんは凄い道具をたくさん

作られています。でもね、話を聞く限り」



「友さんは、モノづくり....じゃないでしょ?」



この日、僕は解放されました



⁡俺のやりたかったこと



⁡「人に教え、伝える」



面白い

めちゃくちゃ面白い!



「是非やらせてください!

よろしくお願い致します!」



後先考えずに仕事を辞めて

新しくできたお店に家族で飯を食いに行ったら

店舗プロデュースを請け負うことになった



⁡「将来、人に雇われて生きるな。自らの力で

お金を生み出せる人間になれ」

 


長女には、小さい頃からずっと言い続けてきたこと



今、父の背中を見てほしいなと


 

では、では。

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